西安 食と街紀行⑤ びゃんびゃん麺作り
びゃんびゃん麺のびゃんという漢字は56画もあり最も画数の多い漢字の一つ。
びゃんびゃんというのは麺を伸ばす時の音を表していて、この漢字はびゃんびゃん麺のためだけにあります。
最終日のこの日、延びに延びたびゃんびゃん麺づくりが本当に習えるのか緊張で朝5時ごろ目覚めました。
実は前日の夜になり、主催会社から「担当者が変わります。集合場所なども変更になるため新たなガイドから連絡がきます」とのメールが。少人数だったために教室の変更があったのでしょう。
新しいガイドさんからは「Hi!ブルースです。明日はあなたのゲストハウスに迎えに行きます」と前夜に連絡がありました。
7時半ごろ外はまだ薄暗い感じ。
宿をチェックアウトして外に出るとにっこにこ笑っているブルースが待っていました。
この時、数メートル向こうでは泣き叫ぶ妻と怒鳴る夫の姿。早朝の路上です。そして妻が芝居がかった土下座。妻の泣きながらの土下座にうろたえる夫。何があったのでしょうか。エキセントリックすぎる中国の夫婦喧嘩。
ガイドのブルースと路線バスに乗り市場へ。
ここ数日通っていた酒金橋がムスリス系の市場ならこちらは中華系の市場。豚も一頭丸ごといろんな部位が売られていました。
料理を教えてくれるのはブルースの奥さんリリー。ブルース・リーみたいで覚えやすい。
市場ではリリーからの指示のWeChatを見ながら買い物するブルース。買い物を終えたら徒歩で自宅のアパートに向かいます。
ウイグル自治区に近い中国の西のほう出身のリリー。スタイルがよくてナチュラル美人な素敵な奥さんです。
夏の間は西安にやってくる外国人のための英語ガイドをやっている2人。同じ旅行会社の同僚として出会ったのだそう。小学生の息子には英語で話しているのだとか。なかなかの教育熱心です。
シーズンオフの冬に外国人にびゃんびゃん麺や餃子作りを教えているのだそうです。
「あなたが初めての日本人の生徒です」ということで光栄です。
シンプルですが訓練が必要なびゃんびゃん麺作り。
びゃんびゃん麺はいろんな味付けやアレンジがありますがオーソドックスなのは油麺、トマトだし&卵、など。この日はもうひとつ、豆腐と野菜と甜麺醤の黒いソースのびゃんびゃん麺も作りました。どれも感動的においしい。
ブルース・リリー夫妻とはこのあといろんな話をしました。2人は旅好きで、ここ数年は毎年東南アジアに家族旅行に行っているのだそう。
「息子が中学生になった頃、日本にもいこうかな。お金をためないと日本は泊まるところとか移動費とか高いと思うから」
中国から日本にやって来る旅行者をちょっと冷ややかに見てしまっていた事も実はあります。でもこうやって旅先に日本を選んで家族で楽しみにして来てくれる人たちを私もブルースみたいににっこにこお迎えできたらいいなと思ったのでした。
「え!今日の夜の飛行機で帰るの!?じゃあテレビでも見て夜までここで過ごしたら?」とご夫婦は親切にも言ってくれたのですが、おいとまして書などの展示がある博物館などぶらぶらして夜の空港に向かったのです。
さよなら西安。また来ます。
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